株式会社エフワイアグリ/ハウスソリューション
農業知識ゼロから果実堂スタイルを踏襲、 パートナー企業として急成長
福岡県豊前市
- 従業員数:50〜100名
- 売上規模:3億〜5億円
株式会社エフワイアグリは大分県との県境、福岡県豊前市にあります。設立は2017年ながら、すでに高瀬式高機能ビニールハウス180棟でのベビーリーフ、アスパラガス栽培に取り組んでいます。
取締役の各務栄作さんは、会社設立時は農業に関しまったく知識も経験もなかったといいます。ゼロベースから農業参入したエフワイアグリが、わずか数年間のうちに3億円の売上、50人以上の従業員を抱える企業に成長していった理由を取材しました。
- 目的
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- 新規事業としての農業参入
- 課題
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- 農業は事業として成り立つのか
- 何から手をつければいいかさえ分からない
- 効果
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- ソフト・ハード、すべての面からのサポートを受け、生産を開始
- 短期間で年間3億円の売上に成長
農業に対する姿勢に感動 新事業・農業に取り組むきっかけに
エフワイアグリは九州産うなぎを加工販売する株式会社福岡養鰻(北九州市)が母体です。私の曽祖父の代まで農家を営んでいたものの、祖父の代で「農業は儲からない」と方向転換し、うなぎの加工業を始めました。
父と私の代となり、事業の多角化の一環として「農業参入」を漠然と考えるようになり、そこで知ったのが果実堂さんでした。ホームページを見たところ、それまでの私たちの頭にあった「経験と勘頼り、体力勝負の農業」ではなく、サイエンスに基づいた、これからの時代に求められる持続可能な農業のあり方が感じられました。ホームページを読んでいく中で、農業が「事業として成功する」イメージが浮かんできたことを覚えています。
同時に、農業のコンサルティングを行う果実堂テクノロジーの存在も知り、相談をしたいと代表取締役の高瀬さんと面会しました。実際に話を伺い、高瀬さんの愚直に一つ一つの事象を科学的に検証し、型作りを行う姿勢に感動。「勘を得るまでは収益が出ない」「毎年、試行錯誤でやるしかない」ということではなく、誰が作っても、気候の変化があってもビジネスとして成功できる農業、儲かる農業だと確信し、新事業の大きな柱として農業に取り組もうと決断しました。果実堂テクノロジーを知らなければ、エフワイアグリはスタートしていなかったと思います。
「絶対にうまくいく」と確信し設立当初から大規模運営に着手
しかし、当時の私たちは農業について何の知識もありません。どんな野菜を生産するのか、資材の調達、栽培方法、出荷先…すべてがわからない状態です。ゼロから教えていただく気持ちで、果実堂テクノロジーさんにコンサルティングを依頼しました。打ち合わせを経て、高瀬さんから「一緒にベビーリーフを作りましょう!」と提案を受け、「ぜひ、やりましょう」と、果実堂さんと同じベビーリーフ栽培を始めることにしました。
その後、事業計画の立案から、ビニールハウスの設計・導入、出荷先の相談など、ハード面・ソフト面、ありとあらゆる面からサポートしていただきました。土地探しの際には、一緒に土地を見て排水状況などの環境を精査し、どの場所がよいかといったことまで細やかなアドバイスを受けました。
2017年にエフワイアグリを設立し、2019年に建てた高瀬式高機能ビニールハウスは120棟以上。最初からかなり力を入れてスタートしたのですが、まったく不安はありませんでした。高瀬さんの人柄や熱意に加え、論理的な考え方、経験に裏打ちされた確かな知識から「絶対にうまくいく」と確信したからこその挑戦です。当時から必ず成果がついてくると信じていました。
翌年の2018年には準備期間として実際に栽培を始めました。果実堂の農場で、エフワイアグリのスタッフが研修を行い、播種(種まき)から栽培、施肥や水やりのタイミング・量まで、あらゆる面の技術を習得してのスタート。はじめは試行錯誤の連続でしたが、悩んだ時、失敗しそうな時には逐一相談ができ、改善して進めることができました。果実堂テクノロジーさんに、農業において一般的に農家さんが陥りがちな失敗を先回りして防いでもらったような印象です。自分たちだけ「ゲームの攻略本」をもらったようなイメージですね。
果実堂のスタイルを踏襲。最初から有機的管理、最短で有機JAS認証を取得
1年間の準備期間を経て2019年から本格始動し、出荷を始めました。売り先は9割を果実堂さんへ依頼し、果実堂さんを通して全国に出荷をしています。
果実堂テクノロジーさんからコンサルティングを受けている際、常に心がけていたのは、果実堂さんのスタイルを踏襲すること。知識や経験がないからこそ、アドバイスに従って栽培方法や工場のレイアウト、出荷先などすべての面で同じ品質・同じ状態となることを目指しました。今でも月1回は果実堂テクノロジーさんに技術指導に来ていただき、果実堂さんと同レベルを保つようにしています。このおかげで、素人集団だった私たちも品質の高いベビーリーフを安定して生産できるようになり、その結果最短で年間3億円を売り上げる農業法人として広く認知されるまでに成長することができました。
また、有機栽培を大規模で行われている果実堂さんと取り組んできたことで有機栽培の技術を自然に習得ができるのも付随的な効果のひとつです。
有機JAS認証はさまざまな条件があり、一般的に認証を取得するにはハードルが高いという声も多いですが、私たちは参入当初から有機的管理の指導を受け、スムーズに転換期間を経て最短で有機JASの認証を取得することができました。有機栽培への参入障壁が低かったのは大きかったです。
果実堂と対等なパートナーとなり シナジー効果でお互いに伸びゆく関係に
以前まで農業は「儲からない」「会社としては成り立たない」と漠然と感じていましたが、ビジネスとして面白いといった視点で見られるようになったのは高瀬さんのおかげです。ゼロの状態から、福岡県の代表的な農業法人まで成長できたことに感謝してもしきれません。
今後の展望としては、もちろん売上を伸ばし、儲かりつづける体質にしていきたいというのがひとつ。加えて果実堂さんの対等なパートナー企業になるのが大きな目標です。現在も「パートナー」ではあると思うのですが、コンサルティングを受けている側で、まだシナジー効果というところまでは来ていません。
今後、本当の意味での対等なパートナーになり、お互いが伸びゆく関係になれたらと思います。現在はそのための基盤づくりと考え、日々真摯に農業に取り組んでいきたいです。
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「新しく農業を始めたいが何をすれば…」「経験や勘に頼らず収穫量を多くしたい」といった農業に関するお悩みをお持ちの方に、解決法をご提案いたします。
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弊社担当者から
スタート時から「大規模農業をしたい」という強い意欲を感じました。こちらも応えるために本気でギアが入ったことを覚えています。エフワイアグリさんは果実堂と同じ品質でベビーリーフを育てている「パートナー企業」。お互いにトラブルで収穫量が減った際などに補完し合える関係づくりができてよかったと思います。これからも助け合い、共に成長していきましょう。